『どうすれば、売れるのか?世界一かんたんな「売れるコンセプト」の見つけ方』木暮太一
以前一度複数の講師が登場するセミナーで
木暮さんの話を聞いたことがあります。
ビジネス系のセミナーで、超有名人もいましたが、
私はその時初めて木暮氏を知ったものの
一番話がおもしろかったので印象的でした。
書籍を読んだのは初めてですが、
講談同様表現がわかりやすく、
無駄がない文章でとても参考になりました。
実業だけでなく、
インターネットビジネスにおいても
役立つ内容満載です。
ビジネスと名がつくものに携わっている人で
まだ売り上げが芳しくない人は必読ですよ。
売れるコンテンツとは?
これだけ物や情報があふれている時代に、
どうやったら自分の売りたいものを
売ることができるかといえば、
魅力的なコンテンツ
であることが絶対条件です。
木暮氏は20年間出版業界で売れる本を作り続け、
リクルート社でも働いた経験があるので
どんなものが売れるのかを知り尽くしています。
リサーチだとか、マーケティングだとか
プロでもアマでも自分の商品を売るために
一生懸命になっているのですが、
そもそも論で、消費者を考える前に
自分のコンテンツが魅力的かどうか判断する方法
は実はとてもシンプルです。
その視点とは、「自分だったら買うか」です。
当然のことですが、売ることに必死になると
ついつい忘れがちになってしまいます。
すごく参考になったのは、
お客様の立場になったときに価格についても
合わせて考えるという視点です。
いくらだったら自分が「即決」で買うかを、自分自身で考えておくことはとても有効です。
この即決価格を考えることで、「自分都合の”売りたい価格”」ではなく、「相手視点を考慮した”売れる価格”」をイメージすることができます。
確かに、自分が消費者として買い物をする場合
小さな買い物でも大きな買い物でも
即決価格というのがありますよね?
特に個人でビジネスをする場合、
薄利多売だと長続きする可能性が低いです。
相手に満足してもらい、
高額でも即決して「欲しい!」と思わせる
コンテンツ作りが大切だと実感しました。
売れるコンテンツの4つの特徴
1.ベネフィット
木暮氏のベネフィットの定義は、
「Aだった人を、本人が望んでいるBにさせること」です。
これは私がコーチングを学んでいるときにも
よく言われたことですが、
相手は”変化した将来の自分”にお金を出します。
この商品・サービスを購入することによって
”自分はどう変われるのか”
”自分にどんなメリットがあるのか”
というのが支払いの際の最重要ポイントです。
だから、Before⇒AfterのAfterを明確にしないと
モノやサービスは売れません。
そのお手本のようなわかりやすい例が
ライザップのCMです。
まさに木暮氏が言っているベネフィットそのもの!
ここでリクルート社にいた時の
コンテンツ作りのヒントを明かしてくれています。
消費者は、どんな不満を抱えているか?
消費者は、どんな不安を抱えて生活しているか?
消費者は、どんな不快な思いをしているか?
どんな不便をかんじているか?
といったように、「不」を見つけることが
第一歩だということです。
よく「悩み」をビジネスにすると売れると
言われますが、これがまさに「不」ですよね。
ヒット商品の「不」を解消した例として
消せるボールペンのフリクションが
紹介されていました。
私もボールペン字はインク溜りができるし、
消せないし、不便だなーとずっと思ってたので
社会人になってからもシャーペン派でした。
フリクションが登場したときは感動!
発売当初から長年愛用しています。
会社でも使っている人を多く見かけるし、
3色、5色、蛍光、名前入りなど
発展を続け、ボールペン業界を牽引しています。
その他、ベネフィットの重要ポイントは
「再現性」です。
AからBに変化すると言われても、
自分に同じことができなければ欲しくなりません。
再現性が高く、誰にでもできなければ
そのコンテンツは魅力的に見えないのです。
2.資格
こちらの資格は、例えば英語教材を売る際に
TOEIC900点なければならない、といった資格
の意味ではありません。
ブログを書く時、オウンドメディアを作る時、自社商品を企画する時、どんなコンテンツを提供するかと合わせて、自分にそれを提供する資格があるかどうか考えなければなりません。
おおおっ!痛いっ。
そうなんですよね…。
私もわかってはいるのです。
だから、どんなテーマでパワーブログを
作成するか非常に迷い、悩んでいました。
こちらのブログは「奮闘記」なので
資産となるブログを構築するまでの過程を残すこと
が目的で、いわば練習。まだ本番ではありません。
本来無名の人間の奮闘記なんて
価値がないことも知っています。
ただの自己満ブログだともわかっていますが、
ノウハウコレクターになりかけている人を
救いたい気持ちもあるし、
私自身の苦い経験が誰かの役に立つかもしれない
という思いもあって書いています。
自分はどんな内容なら情報を提供する
資格があるのだろうか?
と真剣に考えることは非常に大切です。
たとえ資格があったとしても、相手に信頼され
良さそうなコンテンツだと選んでもらわなければ
売れません。
となると、何より実績が大切になってきます。
論より証拠ですね。
3.真新しさ
消費者は真新しさに惹かれます。
でも、木暮氏が指摘する点も重要で
差別化は必要だけど、差別化ができたから
といって売れるわけではありません。
むずかしいぃぃぃ!!!
この本では時々、世の一般常識が覆されるのですが
「USP(Unique Selling Proposition)はいらない」と言う意見も斬新でした。
USPがあっても、相手は自分にメリットがなければ
買ってくれません。
また、よくターゲットを限定するよう言われますが
そこも履き違えると売れなくなるようです。
例えば”アラサー女子の・・・”などのタイトルは
良い例かと思われがちですが、
木暮氏によると「限定条件」になるのでNG!
それよりも誰にでも起こり得る「都度条件」で
ターゲットを絞ることが大切だという意見は
とても参考になりました。
4.納得感
真新しさは必要なのですが、
消費者はその真新しさに納得できないと
お金を出しません。
納得感とは、「言われてみれば、たしかにそうかもな」「今までうすうす感じていたけど、やっぱりそうなんだな」と思ってもらえる、ということです。
世の中の怖い点の一つは
常に正しい情報が信じてもらえる訳ではない
という点です。
逆に言えば、ウソの情報でも納得感があれば
信じる人が多いのです。
そのため、筆者が提示する納得感を打ち出すための
方法は「TTP(徹底的にパクる)」でした。
こちらもビジネスではよく言われることですが、
私にはできていないと反省しました。
リサーチやライバル分析は面倒な作業だと
遠ざけてしまう傾向がある人は
TTPができていないのではないでしょうか。
これはビジネスのジャンルでも不可欠な要素です。
TTPをしても厳しいビジネス道なのに、
TTPもしないでいばらの道を血だらけになって
進んでも、成功は果てしなく遠いのです。
売れるコンテンツの作り方
筆者が売れるコンテンツ作りでまず最初にするのは
「コンテンツのゴール」を決めることだそうです。
誰が、どうなりたい時に買う商品なのか?
Befor→AfterのAfterの状態が曖昧だと
消費者はゴールがわからず道に迷ってしまいます。
また、あれもこれもたくさんの変化を提示しても
ダメだそうです。
まずは一つ、それができたら次、それができたら次
といったように、初級→中級→上級と
ゴールにもステップを作るのは売り手の仕事です。
ターゲットを絞る場合にも注意が必要です。
相手の属性を絞るときに考えなければいけないのは
相手の「不」です。
「こういうことを不満に、不便に、不安に感じている人に向けて打ち出そう」という表現で考えなければなりません。コンテンツはあくまでも、ベネフィットありきです。そして、ベネフィットは不の解決(課題解決、願望実現)です。
コンテンツの明確なゴールとターゲットが
決まったところで、
次に4つの要素について考えます。
筆者の開発した「類感マトリックス」が
とても役立ちそうです。
人々の「不」を解決するために、
自分のコンテンツが「手段」として役立ちます
と提供すれば、相手は欲しくなりますよね?
その伝え方も大切!
Befor→AfterのAfterの状態を魅力的に感じて
もらうためには、
相手がベネフィットを感じられる表現で
自分のコンテンツを伝える必要があります。
それが「あなたが望んでいた○○ができるようになります」という表現です。
「類感マトリックス」を使って、
4つの要素をどのように具体化していくか
それをどうやって伝えたらよいか、
もっと知りたい人は読んでみてくださいね。
どんなことをビジネスにしたらよいのか?
あとがきに書かれていたメッセージは
私にとって初めてだったのでハッとしました。
「好きなことをビジネスにしよう」と
言われても困ってしまう人のために、
別の考え方を紹介してくれたのですが、
そのビジネスを選ぶ際のヒントとは
自分が消費者として、これまでお金を使ってきたことをしよう
というものです。
目から鱗ではありませんか?
これなら「不」をたくさん考えられるし、
自分が欲しいコンテンツのアイディアもたくさん
浮かびそうな気がします。
自分の備忘録として詳しく書いてしまいましたが、
とてもわかりやすい教科書のような本でした。
どうすれば、売れるのか? 世界一かんたんな「売れるコンセプト」の見つけ方 [ 木暮 太一 ]
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