『GRIT(グリット)平凡でも一流になれる「やり抜く力」』 リンダ・キャプラン、 ロビン・コヴァル
実はもう一冊、ハーバード×オックスフォード
×マッキンゼーの心理学者が書いた、
世界的ベストセラーの『GRIT』という本が
あるようです。
日本では同じタイトルで
『GRIT(やり抜く力)』となっていますが、
こちらのGRITは原書では“Grit to Great”、
サブタイトルが”How Perseverance, Passion,and Pluck Take You from Ordinary to Extraordinary”です。
翻訳者の方の直訳によると、
「平凡を偉大へと導く忍耐・情熱・勇気」で、
この1冊に溢れ出ているテーマそのもの!
帰国子女位の英語力じゃないと、
GRITという単語の持つニュアンスを
正確には捉えられないでしょう。
解説ではこのように紹介されています。
GRIT(グリット)は、Guts(度胸)、Resilience(復元力)、Initiative(自発性)、Tenacity(執念)の4つの要素からなり、「やり抜く力」を意味します(それぞれの頭文字をとると、GRITになります)。
日本語でぴったりはまる言葉がないようですが、
『GRIT(やり抜く力)』を読めば
どんな人でも感覚的に理解できるはずです。
しかし、GRITに対して感じるものは
人それぞれ異なると思います。
成功に欠かせない要素はIQでもSQでもなくGRIT
私が読んだ印象としては、完全にスポ根級+α!!
しかもその努力と根性のレベルが
いい意味で尋常じゃない!
スポーツに限らずどんなことにも言えるGRITですが
分かりやすいのでスポーツで例えると、
フィギュアスケートの羽生選手、
サッカーのキングカズや野球のイチローなど
努力度が人間を超えて神レベル!?
もしくはそれ以上とも思われるスゴイ人が
色々なジャンルで次から次へと紹介されるので
読んでいるだけで感動し、熱い気持ちになります。
どの人も奇跡的な偉業を成し遂げていて
超人レベルなのですが、
生まれつきすごくて神童と呼ばれていたのか、
裕福で何不自由ない環境に生まれ育ったのか、
というとそうではない人がほとんどです。
後天的な能力だとすれば、
誰でも今からでも身に付けられるのが
GRITと言う訳です。
私たちは常に失敗から学びますが、
GRITは失敗するたびに育まれる
ありがたい失敗の産物でもあります。
グリットを研究している
アメリカの心理学者、A・ダックワース氏は
いろいろな状況で試した結果、ある特徴をそなえていれば成功しやすいことがわかりました。それは社会的知性(SQ)ではありません。見た目のよさでも、健康な体でも、知能指数(IQ)でもありません。グリットでした。
と述べています。
成功に不可欠なのはグリットだということです。
失敗の多い私などは大いに勇気づけられました。
あなたのグリットはどのくらい?
本書でもグリットを試せるURLが載っていましたが
期限切れでした。
そこで、もう一冊のGRITのサイトにたどり着き、
Angela Duckworth氏の
Grit Scaleを試してみました。
スコアは5点中3.9点でした。
なかなか悪くないと思いますが、
アメリカの成人の中では上位40%以内です。
アメリカ人は自己評価が高いと思われるので、
比較できませんが、
おそらく日本人の中ではまずまずかと。
もちろん、人と比べる問題ではありませんが、
問いの10問の結果を「非常に当てはまる」に
近づけていくように心がければ
私たちも成功に一歩一歩近づいていけるのでは
ないでしょうか。
グリットに必要なのは情熱と忍耐力
何事も決意から始まるのですが、
その決意を現実に変えるためには
グリットが不可欠です。
そしてそのグリットを支えているのは
夢を実現したい!目標を達成したい!という情熱と
成功するまで頑張り続ける忍耐力です。
最近は頑張らずに夢を実現する思想が支持され、
ハードワークは古い時代遅れの思想のように
扱われていますが、
筆者たちは明らかにハードワーク主義です。
といっても、両方の思想の捉え方には
気を付けなければならないと思います。
頑張らずに夢を実現するというのは、
ただドリームマップを作成して眺めていれば、
「ついてる、ついてる」ととなえていれば、
ある日突然大金や理想の結婚相手が手に入る
という意味ではないでしょう。
欲望に支配されて、欲しいものに執着する
気持ちは手放さなければいけないという
ことだと思います。
それは欲で私たちを操ろうとするエゴの仕業
だからです。
頑張りすぎるのは本当の自分ではありません。
エゴに操られた自分です。
そういう意味での「頑張らない」だと思います。
一方で、ハードワークにも誤解があるような
気がします。
大きな成功を達成した人々はほぼ100%、
ハードワークを乗り越えてきています。
でも、それは情熱に支えられたもので、
その人々にとっては決して苦痛ではなく、
充実感や達成感をもたらす、
ある意味喜びであるはずです。
あなたが新しいスポーツを始めた時、
練習はきつくてつまらなかったかもしれません。
でも、少しでも上達したいから
日々練習に励みませんでしたか?
今までできなかったことができるようになって、
初めて試合に勝てた時、どんな気持ちでしたか?
そのハードワークは否定されるべき
努力だったでしょうか。
そこには上達したい、試合に勝ちたいという情熱と
毎日の地味な練習に耐える力があったはずです。
それこそがグリットです。
いくつになっても成功することはできる
たくさんの事例の中で、特に印象に残ったのは
筆者の2人がウェンディ―ズの広告代理店に
選ばれるまでの努力の過程です。
筆者たちは共同で広告代理店を立ち上げ、
アフラックなどの有名な広告を手掛けた凄腕です。
しかし、やはりアメリカでも大企業の広告代理店
の勢力が強く、
新参者はなかなか受け入れてもらえません。
彼女たちがどれほどの努力とアイディアで
熾烈な争いを勝ち抜いたか、
そのプロ意識と根性には頭が下がりました。
他にも、孤児だった少女が幼い頃から
フィギュアスケートに憧れていて、
子育てが終わった40代後半からスケートを始め、
52歳にして10代後半の男性とペアで
スケート大会で金メダルを取得した話や、
読み書きができなかった男性が92歳から
文字を学び始め、簡単な本が読めるようになり、
しまいには自らの回想録を書いて
ベストセラー作家となった話など、
どれもこれも「すごいなー!」と感心し、
素直に感動するばかりでした。
グリットに年齢は関係ありません!
グリットが高ければ、失敗して落ち込んでも
気持ちを切り替えて再チャレンジできる
しなやかで打たれ強い柔軟性も高まります。
あなたの人生をGreatにしたければ
“Grit to Great”でやり抜く力を強化しましょう。
GRIT(グリット) 平凡でも一流になれる「やり抜く力」 [ リンダ・キャプラン ]
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